9月9日(土)、写真家・石川直樹氏による講演会
「地球を旅する」を開催しました。
まさにタイトルの通り、地球中を旅している石川直樹氏。
17歳で初めて行った、インド・ネパールの一人旅から、石川氏の旅は始まりました。
20歳ではデナリ(マッキンリー)を登頂。植村直樹氏の本を読み、行ってみたいと思っていたところに行き、高さで世界が変わることを知り、そこから山の旅が始まりました。石川氏は子供のころから本が好きで、すべて本の影響から旅を始めたそうです。
講演は石川氏の写真をスライドで上映しながら進められました。昨年18年ぶりに単独で行ったデナリの映像や、K2の映像もあり、その画の一つ一つが美しく、石川氏の世界観が表れていました。カメラは単焦点レンズのみを使い、自分と世界の距離が見えるようにしているそうです。ズームは自分の足で近づく、それによってその時の状況や距離が写真から読み取れ、情景がわかる写真でした。
山や海、様々な場所に話が及びました。石川氏がミクロネシアの星の航海術関心を持ち続けているポリネシアの島々は、ヨーロッパの3倍もの範囲にあるにも関わらず、元々の言葉が通じる。それは、地図もない昔に、最初に島から漕ぎ出した冒険者がいたということ。日本からは行く手段のないサタワル島へ行った話は、驚きの連続でした。
「地図を逆さまにすると、違った世界が見える」と、日本が逆さまになった地図を見せてくれました。すると、日本海は朝鮮半島と中国との間にある湖のように見え、そこを行き来していたことが見えてきて、日本海側こそが表日本だったんだ、という見え方ができました。石川氏は、世界地図をなぞるのではなく、違った見方をしていました。
講演後には、小学生から80代の方まで、多くの方からの質問がありました。その中でお子さんから、今までで一番おいしかった食べ物は?という質問に対して、おなかがすいていれば、なんでもおいしいと答えていました。登山の際、最後まで取っておいた桃の缶詰が死ぬほどおいしかったとも言っていました。人は、置かれた状況で感じるのだと、改めて知りました。
「世界のことを身体を通じて知っていきたい」という石川さんの旅はこれからも続きます。