CIFAの日本語教室では、オンラインを学習に取り入れる学習者が増えています。
2020年春、1回目の緊急事態宣言が出され、日本語学習は全て休止になりました。
このことがきっかけで、オンライン学習は、トライアル期間を経て、2020年9月~学習の一形態として正式に導入しました。
現在、マンツーマン学習では20組以上の学習ペアが、またグループ学習でもいくつかのグループが、安全安心の自宅から、Zoomなど様々なツールを用いて日本語習得をめざしています。
今回は、学習ペアの中から、2組4名にインタビューをお願いし、4つの質問を中心にお話を聞きました。
①オンライン学習を始めたきっかけや、オンライン学習のメリット・デメリット
②学習内容や様子
③オンライン活用で知る出身地の家族や友人の様子
④withコロナの生活になってから新しく始めたこと。
アメリカ出身のクレッジさんと戸上さんの学習ペアは、今年1月からオンライン学習を始めました。
戸上さんは学習初回から、クレッジさんの趣味(着物を着ること、寿々波流日本舞踊、御朱印集め等々)の多さに驚いたそうです。
①オンライン学習のメリットは、マスク着用の必要がないこと。Web等の情報を共有しやすいこと。動画等音声が出る教材を使っても周囲に迷惑がかからない。CIFAの夜間学習が閉まっても学習が続けられる。デメリットはインターネット環境に影響をうけることがある。感情が伝わりにくいことがある。
②クレッジさん希望の『みんなの日本語』を中心に、News Web Easy等動画も活用しながら学習中。文型を使った練習ではクレッジさんの趣味に関連する例文作りや会話をして、教科書から脱線するほど盛り上がることがある。
③アメリカ、ミネソタ州出身のクレッジさんは、お国の家族や友人とは、『ディスコード』というツールを使って、話をするそうです。出身地のそばでBlack Lives Matterの気運が高まるきっかけとなった事件があり、コロナと同じくらい心配が大きかったが、現在は少しずつ安心できるようになってきたとのこと。
④ステイホームを心がけているが、運動不足解消の必要もあるので、以前やっていたテニスを始めたという戸上さん、最近はオンラインで英語学習講座を受講しています。クレッジさんの趣味が、コロナで制限されることを気遣っていました。学習中に、クレッジさんから色々な趣味の話を引き出して、楽しい学習を心がけているそうです。オンライン学習では、アイスブレイクや、学習時間にパソコンの更新などが入らないように余裕をもってパソコンを起動すること等の注意点も教えてもらいました。
もう一組は、中国大連出身のリュウヨウさんと坂井さんです。
3月から坂井さんと学習を始めたリュウヨウさんは オンライン学習は2年目になりました。
①二人が感じるメリットは、やはりマスク着用の必要がないこと。相手の表情全てをみることができる。天候に左右されることがないのが楽。自分のペースで準備ができる。個人的空間で、落ち着いて会話の練習ができる。デメリットは通信が不安定な時に影響が出る。気持ちや考えが伝わりにくい。CIFAの書庫に気軽に資料を探しに行(い)けない。ホワイトボード機能と実際のホワイトボードの使い分けに悩むことがある。
②『まるごと』やみんなの日本語、坂井さんが事前に準備し送信した『トピック』などで学習を進めています。毎週日記等の宿題を通して、リュウさんの弱点を見抜く坂井さん。リュウさんも坂井さんは、自分が不得意なところをよく理解してくれると感謝していました。
③お国の家族や友人とのコミュニケーションツールは、『We Chat』を使って、毎日。今は自由に外出できる家族からは、少し心配されるようです。毎日家族と面白い話が出来るのが楽しいと嬉しそうでした。
④坂井さんは、ステイホーム中の運動不足解消のため、家の中でもスクワット等の運動の習慣ができたそうです。
リュウさんは、「家でパソコンを使う時間が増えたと思うが、面白いドラマや動画はありましたか?」とのこちらからの問いかけに、「そういうことに時間を使わず、今は一生懸命日本語の学習を頑張っています!」と答えてくれました。頭がさがります。
今回のインタビューはZoomミーティングルームを使用してご協力いただきました。皆様ありがとうございました。
Withコロナで、生活に様々な変化がありました。今後元通りになること、ならないことの整理はまだまだつきません。
できることを、前向きに!という姿勢で、変わらず日本語学習に取り組む学習者とそれを支えるボアンティアさん、引き続きよろしくお願いします。