CIFAでは、10月14日に「外国人のための無料専門家相談会」を行います。
これは、日常生活の中で、わからないこと、困ったこと、悩みごとをかかえた外国人が、弁護士、行政書士ら専門家に、通訳を介して無料で相談できる貴重な機会です。当日はCIFAで通訳ボランティアとして活動する方たちが、相談会での通訳を含む運営スタッフとして外国人相談の対応をします。
9月16日、新宿区の張国際法務行政書士事務所の張正翼先生を講師にお招きし、事前研修会を行い、通訳ボランティア10名(英語、中国語、ドイツ語)が参加しました。
張先生は、10代後半、南米アルゼンチンに単身在住時代に培ったスペイン語能力を活かし、帰国後スペイン語の通訳学校に通学し、NPO法人で通訳・翻訳コーディネーターとして勤務されたこともあるそうです。多くの相談を受ける中で、通訳だけでなく法的相談にも対応できるよう、行政書士資格を取得されました。
「行政書士」という専門家でもあり、「通訳」としての活動経験もある先生ということで、参加者は講義開始前から興味津々といった様子でした。
前半は、永住相談について、「専門家」、「相談者」、「通訳」役を見立てたロールプレイを行いました。
永住許可申請をしたい、アメリカ出身の男性(妻、子あり)が、想定された自分の経歴で、永住許可を申請することができるかについて、行政書士に相談するという設定です。
参加した通訳ボランティア(英語)のほぼ全員が、専門家と相談者(今回は通訳ボランティアが担当)の橋渡し役を担う「通訳」に挑戦しました。
相談者が、永住許可を申請できるか否か、様々なポイントについて専門家が聞き取ります。在留歴や年収、健康保険や年金など公的義務の履行状況、前科犯罪歴など、家族について等、プライベートな内容にも及び、細かく聞きとり、正確に伝えなえればいけません。
挑戦したボランティアは、メモをとりながら、専門家に質問内容を確認したり、相談者にも間違いがないかを確かめながら、通訳をしていました。
永住許可の要件は様々で、必要な年数などは項目や状況によって微妙に違うことがあり、正確に通訳することに重要性を再認識しました。
後半は、「専門家相談通訳時の心構えと在留資格制度の基礎」と題した講義でした。
通訳の心構えとして、日常でできる通訳トレーニングや、専門知識や用語の理解のためのサイトについて、教えて頂きました。
専門家相談会の通訳の在り方の基本は、「黒子」。これは、存在感を出さず、自分の意見を挟まず、間違えずに訳すことだそうです。
聞き取れなかったり、知らない用語が出てきたら、その意味を専門家に確認してから、相談者に正確に伝えましょうとアドバイスされました。
最後に、在留資格の関する申請の種類(変更、永住、認定、取得など)や、在留資格に付随する手続き(資格外活動、再入国など)など、「在留資格制度の基礎」について説明がありました。
今回の研修会は、はじめて実際の相談場面を想定したロールプレイを行いましたが、参加者からは大変好評でした。
「ロールプレイは、研修内容を理解する大きな助けになったと感じた」
「大変リアリティーがあってためになった」
「専門的な知識も勉強する必要があることがわかった」
などの感想が寄せられました。
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