国際交流センター

台風10号停滞中に臨場感を持ち “災害時多言語翻訳シミュレーション(翻訳訓練)”を実施

近年は、毎年のように大型台風、集中豪雨が発生し、各地で甚大な被害が出ています。

また、首都直下型地震や南海トラフ地震の予測もされる中、在住外国人68万人超を有する東京都では、災害時に情報難民となり得る外国人への情報提供が、喫緊の課題となっています。

 

CIFAでは、数年前から都が主催する

「災害時多言語翻訳シミュレーション」(翻訳訓練)に、

英・中・韓等の通訳ボランティアが、多言語による情報発信の一翼を担うべく、平時からのトレーニング兼ね参加しています。

外国人支援に関し、都内で広域的な相互協力が必要と考えられ、インターネットを活用した翻訳訓練となっています。

この日は、英語対応者2名のほか、初めて通訳言語として 「やさしい日本語」 への書換えに挑戦するボランティア3名が参加しました。

「高台に避難せよ!」

だと理解できなくても、

「たかいところに にげてください!」

と言えば、伝わる外国人の数が各段に増えます。

ちょっとした気遣いで、言葉がわからない外国人の行動を変えることができます。それは互いの命を守ることに繋がります。

 

 

今回の想定は、当日と同じ状況となった、「大型台風による影響」

大田区役所から翻訳協力の要請を受け

①大田区防災ポータルサイトや公式SNS等で、区内の外国人住民に周知する文書

②区のHPや保育園経由で在住外国人保護者に周知する文書

この2点の原稿を翻訳することになりました。

 

参加者は各言語に分かれ、基本的には一人ひとりが翻訳作業を行いました。

途中、参加者同士相談したり、イラスト引用やルビ振り、どの単語を使うのが適切かなどを、相談しながら進めていきました。

「やさしい日本語」での参加者は皆、初めての経験です。膨大な情報量から必要不可欠なところを、どうすればよりわかりやすく伝えることができるかを考え、必要のない部分を大胆にそぎ落とすことに抵抗を感じながら、書換を行いました。

英語担当は、過去にも参加経験があり、慣れた様子で作業を進めていました。

災害はいつ起きるかわかりません。

十分な環境下でなくても、作業を行うことになる可能性もあります。まさかの時に備え、準備をしておくことはとても大切です。

原稿と回答例です。

 

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