国際交流センター

通訳ボランティア勉強会開催しました

12月2日、「CIFA通訳ボランティア勉強会」~「外国人支援のコミュニケーション技術」を開催し、外国人6名を含む36名が参加しました。
講師は、東京外国語大学世界言語社会教育センター特任講師の長谷部美佳先生。
移民とジェンダー、多文化社会論を専門とされ、多文化共生社会に向け、異文化理解のためのコミュニケーションスキルついて多方面で講演をされています。
今回の勉強会では、まず前半に東京都の外国人数・在留資格内訳から、技能実習生が少なく、高度人材が多いという東京ならではの特徴について紹介がありました。そして、在留資格の違いで、抱える問題(例えば、永住者と留学生)も異なることが示されました。
外国人が増え、多文化化がますます進む東京に暮らす私たちにとって、異文化の外国人とコミュニケーションをとってお互いに良き隣人として共生していくにはどうしたらよいのでしょうか?
異文化コミュニケーションで、まず必要なことは、自分の文化は、多くの文化の中の一つであると相対化し、相手の文化を尊重することです。
そのためには、人間は自分の文化背景に基づいたフィルター(ステレオタイプ・自民族中心主義)をかけて、他者を判断しがちであるということに、意識をすることが大切です。自分の中から、完全になくすことは無理だからこそ、常に意識をもって他者を接する姿勢が必要だとのことでした。
さらに、ボランティアに必要なこととして、共感(エンパシー)と傾聴(エポケー)を挙げられました。
共感(エンパシー)とは、自分と相手が違うとの認識の上で、相手のものの見方で、現実を再構築すること
傾聴(エポケー)とは、相手のことを決めつけず、同時に自分の判断・評価をさしはさまない。アドバイスをしないこと。
外国人に対してだけでなく、日常生活においてもこういったことを意識して他者に接することは非常に大切な姿勢だと、長谷部先生は、家庭内の夫婦喧嘩を例に挙げていました。
後半は、グループワークを行いました。参加者全員が歓談している間に、秘密で長谷部先生が色付きシールを参加者の背中に貼っていきます。
参加者は口をきかずに、グループを作るよう指示されます。ヒントは長谷部先生がした細工。
初めは、???と戸惑っていた参加者はヒントを頼りに、身振り手振りでグループに分かれ始めます。自分ではどういったグループに所属しているのかわからないまま、他の人に呼ばれてグループに入ったり・・・。
このゲームの中には2名どの色にも属さない人が設定されています。通常であれば、グループからはじかれて立ち往生するそうですが、今回はなぜか全員がグループにおさまるというハプニングが。これには長谷部先生もびっくりでした。聞いてみると、なんとなく似た色だから自分たちのグループにいれたとの答えがあり、会場は笑いに包まれました。
このワークでは、参加者は、「自分がどこにいけばいいのかわからない時は不安だったが、グループに入れてもらえた時嬉しかった。」などの感想がありました。
所属する場のない外国人の立場を理解するためのものだったのですが、両親が違う国出身のハーフのお子さんたちにも当てはまるとの説明に、自分たちがいかに、前半の講義でのステレオタイプなどといった偏った見方に影響されているか驚きと納得していました。
その後グループごとに、もう一つグループワークをしました。
設定された状況(自分が海外旅行中に大地震に遭遇したら、何に困ると思うかなど)をグループで想像して、紙にまとめていく作業をしました。
グループ内では、皆さん意見が飛び交いました。自身の海外での体験などを交えて、どのグループも活発に意見交換をしている様が印象的でした。
CIFAでは毎年通訳翻訳ボランティア勉強会を年に2回ほど開催しています。
今年度の勉強会は、2回目を3月10日(土)に予定しています。
勉強会の詳細、募集は、CIFAホームページなどでお知らせいたします。
今回参加いただいた方はもちろん、関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。
    
    
  
   
 

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