近年、毎年のように大型台風・集中豪雨等が発生し、首都直下型地震や南海トラフ地震の予測もある中、
「災害はいつ起きるかわかりません」
災害時に情報難民となってしまう外国人への情報提供については、東京都、区市町村全体の大きな課題となっています。
CIFAでは、平時から災害時に備えて準備を整えておこうと、通訳ボランティアを中心に毎年この翻訳訓練に参加しています。
8月19日、英語7名、中国語1名の通訳ボランティアが「災害時多言語翻訳シミュレーション参加し、災害時を想定した2つの原稿の翻訳にチャレンジしました。
お題のひとつは、「地震後の台風接近」について
“河川の氾濫や急激な水位上昇”
“浸水対策で使える土のう”
など、普段はめったに使わない言葉も多く、
“やむを得ない事情がない限り” という表現は、そのまま訳すよりも、絶対に行かないで、と書いた方がいいのか、など迷う場面も見られました。
もうひとつは、「避難所のルール」(避難所内の掲示板に貼っておしらせするもの)でした。
特有の表現については、翻訳者が的確に理解した上で訳せるよう、予め注釈がつきました。
“生活スペース”・・・共有スペース(乳所・炊き出し・救護所)・居住スペース等も含む、生活場所全体をさす。
“居住スペース”・・・個人・家族単位の避難所で暮らすスペースをさす。
英語は2~3名のペアワーク、グループワークで、お互いの訳文を共有し、推敲しながら、完成させていきました。
中国語で参加した方は、簡体と繁体の両方を時間内に仕上げていました。
参加者は、2つの原稿を2時間30分間という長時間、頭をフルに働かせ作業され、とても疲れた様子ではありましたが、
「普段は目にしない文書で、いい経験になった」
「前回よりは早く仕上げることができた」
との感想が寄せられました。
災害、震災は、ないに越したことはありません。
ですが、「備えあれば憂いなし」です。
CIFAでは今後も、外国人への情報提供(多言語対応、やさしい日本語の普及啓発)に力をいれていきます。